悪魔くんとナイショで同居しています





な、なんてタイミングで来るのよぉぉっ!

これじゃあ出られないじゃん……。



紗千だけならまだしも、柏崎さんがいる状態じゃああまりに気まずい。

アーラと二人でいるところなんて見られたら、一体どんな表情をするのか……。

想像もしたくない。



「黒羽くん……その顔どうしたの?!」

紗千の甲高い声に勝るとも劣らない、柏崎さんの声も室内を満たした。



「あー……いやぁ。これはちょっと、いきなり垣内くんに殴られてさ……」



わぁ……。

アーラもさっきまでのふてぶてしい態度もどこへやら。

瞬時にして、しおらしい雰囲気を醸し出しちゃってるじゃんよ。



「えっ、垣内くん?ちょっとソレ酷くない?」

「黒羽くんがどうしてこんな目に……」



二人も驚きが隠せないみたいだ。

そりゃあ……垣内くんとアーラの接点が見当たらないんだもん。



「俺と麻里子ちゃんが……二人で居たことが気にくわなかったみたいだね」

「二人で居たって?ねぇ、どういうこと?!」



うん、やっぱりソコに食い付くよね。

紗千は絶対に聞き返すと思ったよ。




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