悪魔くんとナイショで同居しています




カーテンの中からこっそり様子を伺ってみると、思い悩んだように頭を下げているアーラの姿が見えた。

そしてその両脇に、必死の形相で立っている紗千と柏崎さん。



えっ、なんなのこの状況……。

めちゃくちゃシリアスなんだけど。



「黒羽くん!私達が垣内くんをなんとかするから!」



あんな超ド級の不良をなんとかするってさ……そんなこと紗千に出来るのかなぁ。



すると紗千に続けと言わんばかりに、

「私も!黒羽くんがこれ以上辛い思いをしないようにするから!だから辞めるなんて言わないでっ」

柏崎さんも息を巻きながら豪語した。



そんな……おしとやかな柏崎さんまで。

あの垣内くんに立ち向かうっていうの?



「……本当に?なら、もう少し頑張って登校してみようかなぁ」



カーテンの隙間から、にやりと口角を上げるアーラの横顔が見えた。



ひっ……。

やっぱり、やっぱり何か企んでるよぉ。



今の怪しすぎる笑みは見なかったことにしよう。




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