悪魔くんとナイショで同居しています





「だっ……だだだだ駄目っ!」



渾身の力でアーラを突き飛ばすと、タンスの中から下着を引っ掴み部屋を飛び出した。



脱衣所に入ると、へなへなと腰から崩れるように座りこんだ。



あぁ、もう……。

これでもかってくらい胸がバクバク鳴っている。

アーラと一緒にいると……心臓に悪すぎるよ。



はぁ。

今夜もまた寝不足になるかな。



「うん……」



カーテンの隙間から漏れる光で目を覚ました。

枕元に置いてある時計を確認すると、アラームの設定時刻から一分前の起床だった。



お……なんか凄いじゃん。

鳴りはじめたアラームを瞬時に切ると、軽快な足取りで階段を下った。



青々とした空の下、小綺麗な住宅街を歩いていると次咲くんの後ろ姿を見つけた。



話しかけようかな……。

でも、ここしばらく会話もしてなければ目も合わせていないし。



そんな勇気は無いなぁ。

遠くからキノコ頭を眺めていると、次咲くんの元に男子生徒が駆け寄って行った。



あっ、次咲くん大丈夫かなぁ?!

背後からドロップキックをかまされたりなんかしないよね!?



ドキドキしながら見守っていると、そんな心配はよそに……。

男子生徒は明るく笑いながら、次咲くんの肩を叩いた。




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