悪魔くんとナイショで同居しています




……あれ?

なんだか仲良さげな雰囲気?



会話こそ聞こえないけど、次咲くんも同じように明るく笑い返している。



そっか。

垣内くんだけになって、イジメられることもほぼ無くなったから……

それと同時に、便乗していたイジメも無くなったってことか。



そっかぁ。

次咲くんの長かったイジメも……ついに終息を迎えたってことだね。



嬉しい、すごく嬉しい。

けど……もう私は必要ないみたいで、少し悲しくなった。



私にもあんなふうに……紗千やクラスメート達と笑い合える日々が来ますように。

一度だけ、たった一度でいいの。

私がアーラと、魔界に行くその日まで。



「二十日さん、おはよう」



靴箱でスリッパに履き替えていると、背後から声をかけられた。

私に声をかけてくれる人は、今やたった一人しかいない。



「おはよう、黒羽くん……」



今日は珍しく早く学校に来たんだなぁ。



ってゆうか、昨夜の風呂あがり事件がフラッシュバックして……。

恥ずかしくて直視出来ないよ。




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