悪魔くんとナイショで同居しています





アーラは何を企んでいるんだろう。

帰宅したらさっそく聞いてみようと思っていたけど、そういう時に限ってなかなか戻って来ないなんて。



いつもは、辺りが暗くなり始めた頃に窓から入ってくるのに。

もうそろそろ就寝の時間だっていうのに、アーラが現れる気配は無い。



まぁ……

戻って来ない日も多々あったし、今日もそうなのかも。



暗がりの中で目を閉じていると、だんだん瞼が重たくなってきた。

少し早めの就寝にしようと、体勢を変えた時だった。



窓がガラリと開く音と同時に、冷たい風が頬を叩いた。



「あっ、アーラ!」



勢い良く体を起こすと、窓際に止まるカラスと目が合った。

カラスは翼を広げ、ひょいと部屋に足をつけると……

瞬く間に美少年に姿を変えた。



「なんだ?もう寝るのかよ」

「あ……うん。やることなくて、暇で暇でさぁ」



そうは言ったけど、いきなり帰ってくるもんだから。

一気に睡魔が飛んでいってしまったよ。



そう、しばらく寝付けそうにないほど。




< 286 / 360 >

この作品をシェア

pagetop