悪魔くんとナイショで同居しています
アーラは何を企んでいるんだろう。
帰宅したらさっそく聞いてみようと思っていたけど、そういう時に限ってなかなか戻って来ないなんて。
いつもは、辺りが暗くなり始めた頃に窓から入ってくるのに。
もうそろそろ就寝の時間だっていうのに、アーラが現れる気配は無い。
まぁ……
戻って来ない日も多々あったし、今日もそうなのかも。
暗がりの中で目を閉じていると、だんだん瞼が重たくなってきた。
少し早めの就寝にしようと、体勢を変えた時だった。
窓がガラリと開く音と同時に、冷たい風が頬を叩いた。
「あっ、アーラ!」
勢い良く体を起こすと、窓際に止まるカラスと目が合った。
カラスは翼を広げ、ひょいと部屋に足をつけると……
瞬く間に美少年に姿を変えた。
「なんだ?もう寝るのかよ」
「あ……うん。やることなくて、暇で暇でさぁ」
そうは言ったけど、いきなり帰ってくるもんだから。
一気に睡魔が飛んでいってしまったよ。
そう、しばらく寝付けそうにないほど。