悪魔くんとナイショで同居しています





相変わらずアーラはイジワルだ。

また私を怖がらせて笑うつもりだったんでしょ。



まさに悪魔らしい所業。

私が暇だったから、じゃなくて自分が暇だっただけでしょ?



でも……そればかりじゃないんだよね。

ただのイジワルな悪魔なんかじゃないんだよね。



「私、最初はアーラが怖くて怖くてたまらなかったんだよ」

「ふーん……?」



最初は、って今もやっぱり怖いんだけどさ。



その目でしっかり見てみれば、怖いばかりじゃない。

夜景もそうだけど、それはアーラにも言えることだと思った。



「アーラには沢山助けられたから。今は前ほど、怖いなんて思わないよ」

「別に助けた覚えはねぇけどな」

「それでも、私はホッとしたんだよ」



何よりも、そばにいるって言ってくれたこと。

その言葉にはどれほど支えられたか。



「あっ、そうだ!魔界に写真持って行きたいんだけど駄目?」

「写真?」

「そう!去年の修学旅行の写真とか、お母さんと温泉旅行に行った時のとか!」




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