悪魔くんとナイショで同居しています
「ちょっ、変ってそんな……」
いきなり何を言い出すのかと思いきや。
慰めてくれるわけでもなく、センチメンタルな雰囲気が漂うタイミングでまさかの愚痴ですか。
なんなのよ、もう。
何だか一気に涙が引いちゃったよ。
「変じゃねーか。何でお前はいつも、自分を差し置いて他人を守ろうとするんだよ」
お前のような人間には初めて出会った。
そう呟いたアーラは眉を潜めていて、理解が出来ないとでも言いたげだった。
「誰にも傷ついて欲しくないからだよ」
「だからって普通、俺が殺されるなら私が死ぬなんて言うか?馬鹿げてる」
「それは…アーラにも傷ついて欲しくないんだもん。そんなこと、考えたくもないよ」
他の誰よりも、傷ついている姿を想像したくない。
私に正体を見られてしまったことによって、罰を受けている姿を想像したくない。
「……本当にお前は馬鹿だよ」
「いいよ、馬鹿でも」
今でもやっぱり死にたくないって思う。
生きたいって思うけど……それ以上に、アーラを守りたいって思うようになっていた。