悪魔くんとナイショで同居しています





「あれ……なんか、教室がいつもより騒がしい?」

「そうか?ウルサイのはいつものことだろ」



アーラと並んで廊下を歩いていると、教室から賑やかな声が溢れていた。

確かにウルサイのはいつものことだけど……。



なんだか今日は少し、様子が違うような?



妙な胸騒ぎを覚え、急いで教室の扉を開いた。



するとまず視界に飛び込んで来たのは、

「ちょっ、やめてよ!」

垣内くんに、頭から水をかけられる次咲くんの姿だった。



次咲くんの頭頂部に躊躇うことなく、ペットボトルの水をかける垣内くんは、怒り心頭のようだった。



「テメェ、麻里子にケバいとか言ったんだって?」

「冷たいっ!やめて…やめてよ!」



次咲くんが……麻里子ちゃんにケバいなんて言ったの?

それってもしかして……靴箱であった一件の事を言っているのかな?



アーラが原因で呼び出された時、髪を掴まれた私を次咲くんが助けてくれた。



その時に放った、

『うっ……うるさい!けっ、ケバいんだよお前らっ』

あの言葉の報復を、彼女に代わって彼氏がやっているってわけか。




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