悪魔くんとナイショで同居しています
垣内くんは空になったペットボトルを、次咲くんの頭に力強く投げつけた。
「何を舐めた口きいてんだよ。調子に乗ってんじゃねぇ」
「ひっ……ひえっ!」
そして乱暴に机を蹴り倒すと、次咲くんの胸倉を掴み無理矢理立たせた。
教室内にわっと悲鳴が上がった。
つ、次咲くんが危ないっ……!
みんな見ているだけなら、私が次咲くんを助けなきゃ!
次咲くんが、麻里子ちゃんから私を守ってくれたように。
「待て」
「あっ、アー……じゃなくて黒羽くんっ!何?次咲くんを助けなきゃっ」
スクールバッグを放り出し、クラスメートの間を掻き分けて飛び込もうとした時だった。
またもや、アーラに肩を掴まれ止められてしまった。
また、お前に何が出来る?
って言うつもりなんでしょ。
分かってる、そんなことは分かってる。
非力なことくらい、自分が一番分かってるよ。
「でも……私が行かなきゃいけないの。だって次咲くんはやっぱり、友達だから」