悪魔くんとナイショで同居しています
「彼から手を離せ」
「テメェなんなんだよ!?出しゃばりやがって……!テメェが手を離せよ!」
アーラが次咲くんを助けた?
何で?
一体どういう心境の変化があったの?
だって言ってたじゃん。
イジメられる次咲くんを涼しい顔で傍観しながら、面倒くさいから助けないって。
なのに……どうして?
垣内くんは次咲くんから手を離したかと思うと、今度はアーラの胸倉に手を伸ばした。
「もう一回ボコボコにされたいみてぇだなぁ?」
胸倉を掴み上げられても表情を変えないアーラに向けて、垣内くんが拳を振り上げた。
また殴られる!
誰もがそう思い、固く目を閉じた。
「垣内くん!いい加減にしてよ!」
「そ、そうだよ!皆が迷惑してるのが分からないの?!」
悲鳴が止まらない中で、一際大きな声が響いた。
紗千と柏崎さんだ。
垣内くんと、クラスメート達の視線が一斉に彼女達を映した。