悪魔くんとナイショで同居しています
さっ、紗千ぃぃぃぃっ!
ナイスタイミングだよ、ってゆうか凄すぎるよ!
麻里子ちゃんに続き、垣内くんにまで立ち向かうなんて!
「あぁ?今なんつったよ?」
垣内くんは舌打ちをした後、乱暴にアーラを離した。
彼の殺意にまみれた鋭い眼光は、紗千と柏崎さんを捉えている。
「そうやって暴力で物事を解決することだよ」
「そう。それが迷惑だって言ったんだよ」
紗千は垣内くんの迫力に物怖じすることなく、強い眼差しで見返している。
あの大人しくてほんわかしている柏崎さんでさえ、紗千に勝るとも劣らない迫力を見せている。
「はぁ?何言ってんのテメェら、生意気過ぎだろ」
それでも垣内くんは強気な姿勢を崩さない。
きっと、紗千と柏崎さんのような真面目な女子が相手だからだろう。
これじゃあ制止を促すどころか火に油を注ぐようなもんだよ……。
「そっ、そうだっ!いつもいつもカバンを持たせたり財布を取ったり……僕だって迷惑してたんだ!」
ヒヤヒヤしながら眺めていると、今度は次咲くんが震える声を上げた。