悪魔くんとナイショで同居しています





「あぁ?なんだとコラァ!」




身を挺して止めに入ったアーラ。

声を大にした紗千と柏崎さん。



そして恐怖に打ち勝った次咲くんの勇気を皮切りに、あちらこちらから声が飛び交った。



「俺も!毎日芸をやれとか強要されてウンザリしてたんだ!」

「私だって!授業中なのに大声で会話してたりっ……耳障りなのよ!」



怒りに拳を震わせる垣内くんを真ん中に、恐れるどころか果敢にも、クラスメート達の鬱憤が止まらなくなってしまった。



「前に貸した漫画、早く返せよ!」

「パンとジュースくらい自分で買いに行けよ!」

「自転車を校門の前に停めないでよ!邪魔で通れないから!」



……みんな、こんなにも垣内くんに不満を溜め込んでいたなんて。

彼ら不良が何をしても見て見ぬふりをしていたのに。



「チッ。んだよテメェらっ……」



その場にいる全員から罵詈雑言を浴びせられるという……

四面楚歌な状況に、垣内くんも流石に逃げ出してしまった。



とは言え、かなりイライラしている様子だったから。

このまま終わらせる気はないのだろうけど。




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