悪魔くんとナイショで同居しています




えっと……。

なんか気まずい空気が流れてるんだけど。



次咲くんとは、アーラの件で口論になって以来会話をしていないからな。

とは言えこのまま素通りするのも……あからさまな気がするし。



「つ……次咲くんがこんな時間に出歩いているなんて、ちょっと意外だなぁ」

「あ……いや、普段は家にいるよ。父さんがさ、コーヒー買って来いって言うもんだから」

「同じ……。私と同じだね。私も、お母さんにジュース買って来いって言われちゃってさ」



なんとか絞り出した話題なのに、すぐ会話は途切れてしまった。

そして再び、気まずい空気が流れ始める。



やっぱり……謝るべきなのかな。



あの日次咲くんが声を荒げて、アーラを信じるべきじゃないって言ったのは……

私を心配してくれていたからだもんね。



心配してくれていたからこそ、叱ってくれたんだもんね。



「あ、あのっ……」

「奏ちゃんっ……」



って、話しかけるタイミングが被っちゃったよ!



< 309 / 360 >

この作品をシェア

pagetop