悪魔くんとナイショで同居しています
えっと……。
なんか気まずい空気が流れてるんだけど。
次咲くんとは、アーラの件で口論になって以来会話をしていないからな。
とは言えこのまま素通りするのも……あからさまな気がするし。
「つ……次咲くんがこんな時間に出歩いているなんて、ちょっと意外だなぁ」
「あ……いや、普段は家にいるよ。父さんがさ、コーヒー買って来いって言うもんだから」
「同じ……。私と同じだね。私も、お母さんにジュース買って来いって言われちゃってさ」
なんとか絞り出した話題なのに、すぐ会話は途切れてしまった。
そして再び、気まずい空気が流れ始める。
やっぱり……謝るべきなのかな。
あの日次咲くんが声を荒げて、アーラを信じるべきじゃないって言ったのは……
私を心配してくれていたからだもんね。
心配してくれていたからこそ、叱ってくれたんだもんね。
「あ、あのっ……」
「奏ちゃんっ……」
って、話しかけるタイミングが被っちゃったよ!