悪魔くんとナイショで同居しています




ちらりと次咲くんに目を向けると、複雑そうに眉間を寄せていた。



不幸を願った張本人と言えど、そのあんまりな行く末に流石に罪悪感を感じているのだろうか。

そうとも取れる表情を浮かべていた。



「それで田村は、頭部をひたすら殴られたことにより記憶を失い、脳を損傷し下半身に麻痺が残るようだ。もう二度と自分の足で歩けないだろう」

「そんなっ!」



思わず声が出てしまった。



河川敷で血を流す田村くんを見た時、目を逸らしたくなるほどの有様だった。

まるで血の海のようなあの光景は、何があっても忘れられないだろうな。



次咲くんも言葉を失っているようだった。



「で、園山。余罪が見つかり数年は少年院生活になる。その間に、手がつけられないという理由から両親に捨てられ、出所後は遠くの親戚宅に引き渡されることになる」



両親に捨てられるなんて……どれほど辛くて悲しいだろうか。

私ならきっと耐えられない、というか想像もしたくないよ。



「そう……ですか」



三人の現状を聞き終わった次咲くんは、ちっとも満足そうじゃなかった。

あれほどイジメっ子達の不幸を望んでいたというのに。




< 317 / 360 >

この作品をシェア

pagetop