悪魔くんとナイショで同居しています





悪魔の…人間を不幸にする力がこれほどまでとは。



アーラはパタンとメモ帳を閉じると、

「さて、残るは垣内だな。奴の未来ももう決まっている。後はなるようになるのを待つだけだ」

ブレザーのポケットに仕舞い込んだ。



垣内くんには…一体どんな未来が待ち受けているのだろう。

三人のあまりに悲惨な現状から想像すると、垣内くんも似たような運命を辿るんだろうな。



何だか怖くなってきた。



「ねぇ、次咲くん!三人は不幸になったんだし、垣内くんは許してあげたらどうかなぁ?」



もうこれ以上見ていられないよ。

幸いなことに、まだ垣内くんは不幸になってはいないのだから。



いや、なりかけているか?

クラスメート達から煙たがられ始めたのは、不幸への第一ステージだよね。



次咲くんは眉間にしわを寄せたまま、

「そうだよね…分かった。大悪魔様、垣内のことはこのままにしておいて貰えませんか?」

私の提案に悩むことなく首を縦に振った。



次咲くんはきっと後悔している。

悪魔と契約したばかりに、三人の人生をめちゃくちゃにしてしまったのだから。



いくら酷くきついイジメの代償といえど、あまりに想像と結果がかけ離れていたのだろう。




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