悪魔くんとナイショで同居しています
「これは君の落し物かな?」
黒羽くんはくすりとほくそ笑み、見覚えのある分厚い本を取り出した。
「えっ……それ……」
ソレは紛れもなく、次咲くんに突き付けられた古書そのものだった。
どうしてこれを黒羽くんが?
だってアレは夢で、古書は寝ぼけて自宅のどこかに仕舞い込んでしまったはず。
「そうか……やっぱりアンタだったのかぁ」
「えっ……?」
あれ、黒羽くん?
キャラが変わった……?
その顔からは天使のようなふんわりスマイルは消え、不敵な笑みに変わっていた。
「黒羽……くん?」
やだ、なんか怖いよ……。
黒羽くんは不敵に笑いながら、一歩一歩近付いてくる。
そして私の目前に立つと、
「見つけたぞ。お前があの時覗いていた女だな」
氷のような冷たい視線で、低い声で、はっきりとそう言った。