悪魔くんとナイショで同居しています





教室に入ると、机に顔を伏せる次咲くんを見つけた。



小刻みに肩が震えている。

きっと泣いているんだろうな。



なんて言葉をかければいいのか……。

悩んでいると、扉が真後ろで勢い良くスライドした。



「わぁっ!」



び、びっくりしたぁっ!

誰?

こんなに乱暴な開け方をするのはっ。



文句は言えないけれど、危ないですよくらいは言わなきゃ。

ムッと頬を膨らませ振り返ったはいいけど、背後に立つ人物を見てすぐに顔を逸らした。



ふてぶてしい目付きで教室を見渡していたのは、明らかに不機嫌な垣内くんだったのだから。



「オラッ、ぼーっと突っ立てんじゃねーよブス」

「ぎゃあっ!す、すみませんんっ!」



慌てて壁に背中をつけると、垣内くんは舌打ちをしながら入って行った。



すると賑やかな笑い声が響いた室内は一瞬にして静まり返り、

変わりに、あちらこちらからヒソヒソと話し声が聞こえ始めた。



うわぁ〜……。

分かりやすいまでに垣内くんを邪魔者扱いしてるよぉ。



こんな態度を取られると、垣内くんじゃなくても憤慨だよ。




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