悪魔くんとナイショで同居しています




予想通り……。

垣内くんは机を蹴り飛ばして声を荒げた。



「なんなんだよテメェら!文句があんならかかって来いよゴラァ!」



垣内くんの怒号がピリピリとした室内を満たした。



ひぇぇ……。

またこの展開になっちゃうの?



早く担任が来てくれないかと願っていると、

「出た出た。また暴力だよ」

誰かが挑発的に呟いた。



するとまたあちらこちらから、垣内くんを罵倒する声が飛び交い始めた。



「何かあるとすぐ暴力だよね」

「もうアンタなんか怖くないし」

「一人が寂しいなら仲間でも何でも呼べば?俺達、全員で闘うから」



一人が立ち上がると、周りいた男女も一斉に席を立った。



「あっ、あああああのっ。喧嘩は……良くないよ。ねっ?ねっ?」



一触即発の垣内くんとクラスメート達を、交互に見つめても何の反応も返ってこない。



うぅ、全く相手にされてないんだけど。

もうどうしたらいいのよ……。



頭を抱えた瞬間、また真後ろの扉がスライドした。




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