悪魔くんとナイショで同居しています
「テメェ馬鹿にしてんのか?あ?」
垣内くんは闘志を剥き出しにしながら、一歩一歩アーラに近付いていく。
それと同時に、クラスメート達が一斉にアーラから離れた。
あわわわわ……。
また校庭での一件みたいに、アーラを殴るんじゃないの?
公衆の門前でそれはマズイよぉ、垣内くん。
「馬鹿にだなんてする訳が無いじゃないか?俺は君がどれだけ小型犬のように吠えようが、興味なんてないからね」
「んだとテメェ!それを馬鹿にしてるっつーんだよぉおっ!」
「わぁぁぁあ!垣内くん駄目だよ!」
垣内くんが拳を振り上げた瞬間、咄嗟に制止を求めたけどすでに遅かったみたいだ。
教室中に男女の悲鳴が響きわたった。
アーラが殴られちゃう!
振り下ろされた拳に思わず目を覆った。
「うわっ……んだよコイツ」
ん……なにその反応は?
指と指の隙間から二人を確認すると……。
なんとアーラが、鼻先スレスレで垣内くんの鉄拳を止めていた。
なんか、この光景デジャヴだなぁ……。