悪魔くんとナイショで同居しています





あれ以来、垣内くんが教室に戻って来ることは無かった。

ってゆうか、戻れる勇気がないんだろうな。



アーラは本気で怒っていた。

私も幾度となく怒らせてしまったけど、あれほど冷たい眼は見たことがない。



垣内くんもアーラの素性を知らないといえど、何かしらのヤバイ雰囲気は感じ取ったことは間違いないだろう。



じゃなきゃあんな逃げ方しないよ。

彼のような悪名高いヤンキーが。



それよりも、どさくさに紛れてアーラって呼んじゃったよね。

怖いなぁ……絶対に怒られるだろうなぁ。



ドキドキしながら自室の扉を開けた。



「ハッ!アーラ!」



アーラが居ませんようにという願いも虚しく、ベッドの上に見慣れた姿があった。



「騒々しいやつだな。静かに入れねぇのかよ」

「あぁ……すみません」



これは……明らかに不機嫌だよね?

クラスメート達の前で“黒羽くん”と呼ばなかったことを咎められる前に、

先手を取って謝った方が得策か……。




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