悪魔くんとナイショで同居しています





そう…全ては校庭から始まったんだよね。



早くも、時刻はもうすぐ深夜0時を迎えようとしていた。



辺りが薄暗くなるまで次咲くんと話して、帰宅してからはお母さんと話して。

そんな変わらない時間を過ごしていたけど、それもまたあっという間に感じた。



「あっ、奏ちゃん」



暗がりの中で校門をよじ登り、校庭まで走るとすでに次咲くんがいた。



「次咲くん!早いね、もう来てたんだ?」



木の棒で一生懸命に魔法陣を描き、アーラを魔界に帰す準備をしているようだった。



そうそう…。

以前は魔法陣のど真ん中に、スーパーで買ったらしい肉を置いたんだっけ?



「今回は……なにそれ?」



大きな魔法陣を書き終えた次咲くんは、何やら紙袋を中心に並べ始めた。



「これ?僕の宝物だよ。大好きなアニメのDVDだよ」

「DVD……?」



何でこんな萌え萌えアニメ系のDVDなんて置いてんの?

まさかアーラにあげようとか思ってる?



いや、絶対に見ないでしょ。




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