悪魔くんとナイショで同居しています
「可愛いなぁ、お前。ぶるぶる震えて……見てると笑いが出そうなくらいに可愛いなぁ」
頬を這っていた長い爪が、顎の位置で止まった。
なんとか視線を合わせないようにしていたのに、無理矢理顎を上げられてしまった。
青く澄んだ瞳に射抜かれ、ひしひしと伝わる危ない雰囲気に唾を飲み込む。
「知ってたか?術者と悪魔が契約を交わす姿を見た者は……死ななくちゃいけねぇってこと」
吐息がかかるほどの距離感で見つめ合ってるって言うのに、体の震えが止まらない。
恥ずかしさもドキドキもしないくらい、それ以上の恐怖に支配されていた。
「い……命だけはぁ」
私……死ぬの?
まだまだやりたいことがたくさんあるのに?
「お、お願いします。黒羽さん……いや、黒羽さま。いや、アーラ様」
彼氏いない歴イコール年齢なのに?
恋愛っけがなさ過ぎて、初恋すらまだなのに?
ねぇ、私まだ十七歳なのに?