悪魔くんとナイショで同居しています
「なっ……あれはっ?」
何が……起こったの?
さっきの光は雷なんかじゃなくて、アーラが魔界に繋がるゲートを開いたってこと?
俄に信じられないんだけど。
空にぽっかりと、大きな穴が開いているんだもん。
あれが……魔界に繋がっているんだよね?
次咲くんも空に開いた穴を見つめながら、顔を強張らせていた。
「これが契約の代償です。僕の大切なものです!」
DVDを両手に抱えながら、叫んだその声が震えていた。
アーラは八つの翼をはためかせながら、
「違うだろ。お前の大切なものはソレじゃないはずだ」
次咲くんが魔法陣の外に置き直したソレを、決して受け取ろうとはしなかった。
どういうこと……?
だって、次咲くんが一番大切にしていた宝物なんでしょ?
次咲くんも同様に、意味が分からないと言わんばかりの目を向けていた。
「自分でも分からないみたいだから教えてやる。お前が最も大切に思っているのは、二十日奏だよ」