悪魔くんとナイショで同居しています




わ、私……?



「えっ、なにそれ?どういうこと?」



契約が終わり魔界に帰るその瞬間まで、無駄口は挟まないと決めていたのに。

そう聞かずにはいられなかった。



「いや…あの…その」



次咲くんは右往左往へ目を泳がせ、焦ったように口ごもり始めた。



「お前は奏が好きなんだろ」

「えぇっ?!」



ちょっ、なにこの急展開?!

ってゆうか、これって告白ってやつだよね?

いや…本人の口から聞いたわけじゃないんだけどさ。



次咲くんをちらりと見ると、遠目から見ても分かるほどに赤面していた。



「……そうだよ。僕は奏ちゃんが好きだ。だからこの先もずっと…隣にいて欲しかったんだ」

「……次咲くん」



ただ照れているだけだと思っていたのに、顔が真っ赤になるほど涙を堪えていたんだね。



「大悪魔様!お願いします!奏ちゃんをどうか…どうか連れて行かないで下さい!」



次咲くんが魔法陣の中で土下座をした瞬間、涙が一気に溢れ出した。




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