悪魔くんとナイショで同居しています




「お前は人間界にいるべきだ」

「アーラ……どうして?」



ねぇ、何でそんなことを言うの?



「だからお前を殺せないっつってんだろ」

「だって…!だってそれじゃあアーラが!」



契約者以外の人間に正体を知られたら、その人間を殺さなければいけない。

それが魔界の絶対ルールなんでしょ?



「俺はどうなってもいい」

「良くないっ…!良くないよっ!」



私を殺さなきゃ、アーラが罰を受けてしまうんでしょ?

殺されることは避けられないんでしょ?



「この俺がせっかく見逃してやるって言ってんだろ。素直に喜べよ」

「やだ!やだ!やだよやだやだ!」



泣きながらアーラの胸を叩いた。



そんなの、素直に喜べるわけないじゃん。

私の変わりにアーラが死ぬなんて。

喜べるわけないじゃない。



「奏ちゃん……」



次咲くんに呼ばれた気がしたけど、

「私っ……アーラが好きなんだよぉ」

もうそれどころじゃなかった。




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