悪魔くんとナイショで同居しています





「ただ単に殺すだけじゃつまらない。それならお前を魔界に落とし、俺の手足にしてやろうと思ってたんだよ」



でも、お前と関わっていくうちに変わってきた。

何故コイツは、自らを犠牲にしてまで人を助けようとするのだろう。

そう思うようになって…だんだんと興味が湧いてきた。



そう耳元で囁く声が震えているような気がして、胸に埋めていた顔を上げてみた。

なんとなく…アーラの青く澄んだ瞳が潤んでいるように見えた。



「挙句には悪魔の俺を守るとか言い出すし。その必要がないことは何度も説明したのに。本気で馬鹿じゃねぇのコイツって思った」



でも、必死で助けようとする姿に感化されたんだろうな。

もう辛い顔、悲しい顔を見たくないって思うようになっていた。



アーラの話しを聞いていると、涙が止まらなくなってきた。



「それは……私も同じだよ、アーラ」



だって…それが好きってことじゃんか。

守りたいとか、元気にしてあげたいとか…その相手を大切に想う気持ちが好きってことじゃんか。




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