悪魔くんとナイショで同居しています
「すまなかったな。お前は生きろ。俺はもうお前を守ってやれないけど、強く生きていけ」
お前は無鉄砲過ぎるから心配だけど。
なんて笑っているけど、私の肩に一粒の雫が落ちたことを見逃さなかった。
「大好きだよ、アーラ」
アーラの声も。
匂いも、体温も。
何もかもが好きだと思うようになっていたの。
「さっき聞いたから知ってるっての。何度も言うな」
「ずっと一緒にいたかった。そばにいるって言ってくれて、本当に支えになったし嬉しかった」
離れたくない。
だから私も魔界に行こうと思ったの。
「俺がいなくても、お前にはクラスメートや翔太がいる。ほら、校門の方を見てみろよ」
「校門……?」
アーラに促されるままに校門に目をやると、
「奏ーっ!ちょっと!この手紙どういうことなのよ!」
紗千が数人の男女を引き連れて、駆け寄ってくる。
「え?紗千……どうしてここに?」
確か手紙には、校庭で最後を迎えることは書いていなかったはず。
もしかして……次咲くんが?
次咲くんに視線を変えると、涙を拭いながら何度も何度も、それもとびきり明るい笑顔で頷いていた。