悪魔くんとナイショで同居しています





「あぁ……それは、えっとぉ…」



うわぁ……最悪。

何でもっと早く回収しなかったんだろう。



魔界に行くとばかり思ってたから、今まで育ててくれた感謝をびっしり書いたんだけど…。

結局行かないことになってしまった今や、ただ単に恥ずかしいばかりだ。



ってゆうか、このタイミングでソレを出す?

もっと分かりにくい場所に入れれば良かった。



「生まれ変わったらまたお母さんの子になりたい、だなんて。そんなことを言ってもお小遣いは増やさないわよ?」

「もう、分かってるよぉ。いいから早く閉まって!」



……でも。

昨夜アーラが身代わりになってくれたから、今の平凡な朝があるんだよね。



アーラが命を掛けて私を、守ってくれたんだもんね。



「あれ?何?なんか目が潤んでない?」

「うっ、潤んでない!もう私学校行かなきゃ!ご馳走様っ」

「えっ?全然食べてないじゃない!」



皿の上で湯気を立てるオムレツを残し、涙がこぼれ落ちるより早く自室に駆け上がった。




< 352 / 360 >

この作品をシェア

pagetop