悪魔くんとナイショで同居しています
「あぁ……それは、えっとぉ…」
うわぁ……最悪。
何でもっと早く回収しなかったんだろう。
魔界に行くとばかり思ってたから、今まで育ててくれた感謝をびっしり書いたんだけど…。
結局行かないことになってしまった今や、ただ単に恥ずかしいばかりだ。
ってゆうか、このタイミングでソレを出す?
もっと分かりにくい場所に入れれば良かった。
「生まれ変わったらまたお母さんの子になりたい、だなんて。そんなことを言ってもお小遣いは増やさないわよ?」
「もう、分かってるよぉ。いいから早く閉まって!」
……でも。
昨夜アーラが身代わりになってくれたから、今の平凡な朝があるんだよね。
アーラが命を掛けて私を、守ってくれたんだもんね。
「あれ?何?なんか目が潤んでない?」
「うっ、潤んでない!もう私学校行かなきゃ!ご馳走様っ」
「えっ?全然食べてないじゃない!」
皿の上で湯気を立てるオムレツを残し、涙がこぼれ落ちるより早く自室に駆け上がった。