悪魔くんとナイショで同居しています





「奏ちゃん、どうしたの?」



教室の前まで来くると、ドアノブに手を掛けたところで足が止まった。



「あ、うん……。なんか、緊張しちゃってね」



紗千や…クラスメート達に見られてしまったんだよね。



八つの翼をはためかせるアーラを。

そして、紗千には手紙でアーラの存在を話した。



みんな、どんな目で私を見るのだろう。

想像するとだんだん怖くなってきて、足が動かなくなってしまった。



「大丈夫だよ、奏ちゃん。大悪魔様に代わって、僕が君を守ってみせる」

「うん……!ありがとう、次咲くん」



次咲くんに背中を押され、震える手でドアをスライドさせた。



「あっ、おはよう奏!」

「二十日さん、おはよー」



あちらこちらから聞こえる、そんな明るい声。

あちらこちらから見える、明るい笑顔。



クラスメート達の変化に戸惑っていると…

紗千がすぐに駆け寄って来た。



「奏っ……ごめんなさい!」



次咲くんに託した手紙を片手に、深々と頭を下げてきた。



「え?えっ……?」



何が……どうなっているの?




< 355 / 360 >

この作品をシェア

pagetop