悪魔くんとナイショで同居しています
「奏ちゃん、どうしたの?」
教室の前まで来くると、ドアノブに手を掛けたところで足が止まった。
「あ、うん……。なんか、緊張しちゃってね」
紗千や…クラスメート達に見られてしまったんだよね。
八つの翼をはためかせるアーラを。
そして、紗千には手紙でアーラの存在を話した。
みんな、どんな目で私を見るのだろう。
想像するとだんだん怖くなってきて、足が動かなくなってしまった。
「大丈夫だよ、奏ちゃん。大悪魔様に代わって、僕が君を守ってみせる」
「うん……!ありがとう、次咲くん」
次咲くんに背中を押され、震える手でドアをスライドさせた。
「あっ、おはよう奏!」
「二十日さん、おはよー」
あちらこちらから聞こえる、そんな明るい声。
あちらこちらから見える、明るい笑顔。
クラスメート達の変化に戸惑っていると…
紗千がすぐに駆け寄って来た。
「奏っ……ごめんなさい!」
次咲くんに託した手紙を片手に、深々と頭を下げてきた。
「え?えっ……?」
何が……どうなっているの?