悪魔くんとナイショで同居しています





「奏ちゃん、あのさ」



放課後を迎え、次咲くんと並んで校庭を歩いた。



「なぁに?」



今日の次咲くんは上機嫌だったな。

登校してから下校を迎えた今まで、ずっと笑顔だったもん。



次咲くんが…クラスメート達と笑いながら会話をしている光景なんて…

私が知る限り、見たことが無かったから。



次咲くんの願いもまた…私と同じだったってことだよね。



「田村のさ…お見舞いに行ってみようかと思うんだ」

「えっ?本当に?」



どういう風の吹き回し?

あれだけ殴られ蹴られしていたのに?



「……会うのは少し怖いけど。僕は、僕なりに罪を償っていくよ」



罪っていうのは…

アーラと契約を結び、田村くんや佐々原くんを不幸にしてしまったことかな。



「佐々原や、園山の面会にも言ってみる。手紙も出してみるよ」

「次咲くん……」



やっぱり、彼らを不幸にさせてしまったことをずっと後悔していたんだね。



「なら、私もついて行くよ」

「えっ?奏ちゃんが?……いいの?」

「他人事じゃないじゃん。当たり前だよ」



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