悪魔くんとナイショで同居しています




アーラの言葉に深く、深く頷いた。

「絶対に……言いません」



「……ふっ。お前は俺のオモチャとして、しばらくの間生かしておいてやるよ。飽きたら……魔界に送ってやる」



黒羽くん……じゃない。

アーラは、身の毛のよだつような恐ろしい言葉を残して私の前から姿を消した。



「……はぁ」



飽きたら地獄に送ってやる、かぁ。

それってさぁ、結局殺されるってことじゃんか。



あの後…彼の手が離れた瞬間、命からがら逃げて来た。



そして無事に自宅に戻ることが出来たものの、真っ直ぐに私を見下ろす彼の冷めた瞳が頭から離れない。

思い出す度にため息が漏れ、また視界が霞んでくる。



「どしたの、アンタ?全然食べてないじゃない」



母に早く食べろと促されても、目の前で湯気を立てるシチューを掻き込む気にならなかった。



「…ごめん。今日はもう寝るよ」

「えっ?なによ、体調でも悪いの?」



心配をする母に言葉を返すことなく、二階にある自室に逃げ込んだ。



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