悪魔くんとナイショで同居しています




「はぁ」



自室に入ってすぐベッドに倒れ込んだ。



それにしても……次咲くんと話しそびれちゃったなぁ。

ついでに本を返そうと思ったのに。



枕元に投げていた本を手に取ると、なんとなしにパラパラめくって見た。



「悪魔に魂を売った者は、強制的に魔界へ送り込まれる。魔界へ送られた人間は悪魔と化し、彼らの手となり足となり働かされる……」



って、そんなの絶対にやだ!

魔界に突き落とされた挙句、一生悪魔にこき使われるなんて……。



「もうどうしたらいいのよぉ……」

霊媒師に相談したらいいのかな?

それとも教会へ駆け込むべき?



でも…。

下手に動いてアーラを怒らせない方がいいのかも。

だってそれって、彼の正体を他言していることになるよね?



『俺の正体を他言したら即、殺すからな』



低い声でそんなことを言った彼を思い出し、身震いをした。




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