悪魔くんとナイショで同居しています
「ちょっと奏ーっ?!朝っぱらからうるさいわねぇ!何やってるのよ?」
階段の下から母の声が聞こえる。
「や、やばいっ!アーラ……じゃなくて黒羽くん?」
「家ではアーラでいいよ」
「アーラ!お母さんが上がって来るから隠れて!」
だんだん近付いて来る足音に、無我夢中でアーラを布団の中に押し込んだ。
無断で男の子を連れ入っているなんてバレたら……何を言われるか分からない!
「奏ー?入るわよー?」
「あっ、うっ……うんっ!」
アーラを懸命に布団の中に隠している途中で、母が勢い良くドアを開けた。
「アンタ……何やってんの?」
やばい……もしかして何か見えてる?
母の視線を辿ると、手元にあるくしゃくしゃの布団に行き着いた。
「あ……あれ?」
もっこりとアーラを型どっていた布団は、いつの間にかぺちゃんこになっていた。
アーラが……いなくなってる?