悪魔くんとナイショで同居しています
「布団なんか抱えこんじゃって……寝ぼけてるの?何でもいいけど、早く学校に行く準備しなさい」
「……はーい」
ふぅ、危ない危ない。
なんとかアーラの存在がバレずに済んだぞ。
「……アーラ?」
布団を剥ぎ取ると、中から出てきたのはふわふわの黒猫だった。
「わっ、びっくりしたぁ!いきなり消えちゃったから驚いたよ……」
なるほど。
だから布団がぺちゃんこになったってわけね。
それはそれでナイスだよ。
「ニャァーオ」
猫と化したアーラは低い鳴き声を上げた。
そして軽やかに窓際に飛び乗ると、あっという間に姿を消してしまった。
アーラ……どこに行くんだろう?
「奏ーっ?早く降りて来なさい!」
「あぁ、うん!今行くーっ!」
そうだったそうだった。
早く支度しなきゃ。
今日は朝からテストがあるんだから遅刻は厳禁だっ。
慌ててベッドから降りると、急いで階段を駆け下りた。