悪魔くんとナイショで同居しています




今日こそは……次咲くんに本を返さなきゃ。

スクールバッグに古書を詰め、家を出た。



「あっ!次咲……くん」



登校している後ろ姿を見つけた。

走って行って肩を叩こうと思ったけど、その隣を歩く男子生徒の存在に足が止まった。



「はい、これ。今日も荷物持ちヨロシク〜」



あの眩い金髪は、クラスメートの問題児……佐々原くんだ。

次咲くんをイジメている一員でもある。



「……うん、分かった」



次咲くんは抵抗する様子もなく、すんなりと佐々原くんのスクールバッグを受け取った。



話しかけ……れない。

佐々原くんを含む不良グループとは関わりたくない。

その思いが邪魔をして、こっそりと見守ることしか出来なかった。



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