悪魔くんとナイショで同居しています




「ごめんね、奏ちゃん。君を巻き込んでしまって……ずっと謝りたかったんだ」

「それは……もう仕方がないことだから」



済んでしまったことだし、今更次咲くんを責めても仕方がない。

アーラに殺すって言われた時は、次咲くんを恨んだりしたけど……。



「謝らなくていいよ」



今のところ危害は加えてこないだろうし。



「そう言ってもらえると……少し楽になったよ。ありがとう」



次咲くんの笑顔……久しぶりに見た気がする。

いつも死んだ魚のような瞳をしていたものね。



「それよりさ……一つ聞いていい?次咲くんは、低級悪魔を召喚するつもりだったんだよね?何でアーラを呼んだの?」



実は、ずっと疑問に思っていたことだ。

召喚術を行う間際に次咲くんは、



『今から召喚する悪魔は力の弱い低俗悪魔だけど、悪魔は悪魔だからね』



と言っていたのだから。



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