悪魔くんとナイショで同居しています




「それは分からない。僕も初めてだったから、上手くいかなかったんだろうね」



でも、結果オーライだよ。

そう言うとまた、あの怪しい笑い方をする次咲くんにすかさず聞き返した。



「結果オーライって?」

「くふふ。だって力の強い悪魔の方が、より一層奴らを不幸に出来るだろう?」



なんか怖いよ……次咲くん。

そりゃあ確かにそうかもしれないけど。



「でも私は……やっぱりそういうの、よくないと思う」



イジメられているからとは言え、そんな形で報復するのはどうなのかな?

因果応報と言えばそうかもしれないけど、仕返しは誰かに頼むことじゃないと思うんだ。



「じゃあ奏ちゃんが僕の立場だったら、アイツらに立ち向かえるの?相手は一人じゃないんだよ?」

「それは……」



何も言い返せなかった。

無理だと思ったから。




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