悪魔くんとナイショで同居しています




「おいお前!次咲の彼女なんだってなぁ?」



ホームルームが始まったにも関わらず、そう大声で言ってのけたのは垣内くんだった。

彼は佐々原くんといつも一緒にいるヤンキーだ。



「ちっ、違うよ!違う!」

咄嗟に否定したけど、垣内くんを含むヤンキー集団はゲラゲラと笑ってばかりだ。



「まぁでもお似合いなんじゃねー?」

「そうそう!暗い者同士?つーか、お前って名前なんだっけ?」



ヤンキー集団のうちの一人が発した、名前なんだっけ発言にあちこちから笑い声が上がった。



なんなのよ……これ。

次咲くんも知らんぷりしてないで一緒に否定くらいしてよ!



「あぁ〜、お前にもついに春が来たのかぁ〜。そうかそうか」

「良かったなぁ。もやし野郎を好む奴がいたなんてなぁ!感動したわ、俺」



次咲くんはヤンキー達に背中や肩を殴られているけど、それでも何も言い返さなかった。



何も言い返さないことで更なる誤解を生んだようで、

「何も言わないってことは事実なわけね、なるほど〜!」

垣内くんが拍手なんてするもんだから、教室内は笑い声で満たされてしまった。




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