悪魔くんとナイショで同居しています
「……大丈夫?奏」
あの後、担任の一声で笑い声は収まったものの。
「あー……うん」
大丈夫じゃない。
気にし過ぎる性格に加えて、傷つきやすい私にとっては相当のダメージだった。
みんなの前であんな風に言われるなんて。
恥さらしもいいとこだ。
「本当に付き合ってないのに……」
絶対にみんな、私と次咲くんの関係を疑っている。
だって私を見るクラスメートの目が、なんだか冷たく感じた。
「私は奏を信じてるから」
「紗千ぃぃありがとうぅ……」
「さっ、一限目は体育だよ!早く体育館に行こう?」
その後も数回ヤンキー集団に、
「よっ。もやし野郎の彼女♪」
だなんて、馴れ馴れしく肩を叩かれたりしたけど……。
「大丈夫だよ、奏」
その度に励ましてくれる紗千のお陰で、なんとか下校まで泣くことなく過ごせた。