悪魔くんとナイショで同居しています
「ごめんね、今日は行けないんだぁ」
こんな日はカラオケで思いっきりストレスを発散したかったんだけど。
タイミングが悪いことに、母にお遣いを頼まれていたことを思い出した。
「そっかぁ。じゃあまた誘う!」
「ごめんね、紗千」
じゃあまた明日、と手を振る紗千と校門で別れた。
ったく、お母さんったら。
こう頻繁にお遣いを頼むの、そろそろやめて欲しいんだけどなぁ。
タイムサービスとかそんなこと、どうでもいいのに。
何度もため息をつきながらスーパーを目指していると、とある公園に目がとまった。
賑やかに走り回る子供たちの他に、とある人物を見つけた。
「あれは……垣内くん?」
ベンチに座っているのは……明るい茶髪に、低めの背丈。
間違いない。
そして垣内くんの隣に密着していたのは、佐々原くんの彼女だった。