悪魔くんとナイショで同居しています
アーラは読みかけの漫画を放り投げ、むくりと起き上がった。
「付き合うとかってゆーの。男女が一緒にいることに、何でいちいち契約なんか交わすんだ?」
「それは……恋愛は一対一でするものだし」
「お互いを縛りつけ合ってなんのメリットがある?好きなら好き、だけで良くないか?」
好きなら好き、だけでねぇ。
うん……確かにアーラの言うとおりかも。
「でもさ……その好きな人が、他の異性と仲良くしてたら嫌じゃない?」
「さぁ。そういうのはよく分からねぇな。そんな感情抱いたこともない」
悪魔は恋愛感情とかってないのかな?
誰かを愛おしく思ったりとかって。
「そう……なんだ」
「だからお前の悩みはくだらない。電気消してさっさと寝ろよ」
「あ、はい……」
あぁ、もうどっちが部屋の主か分かんないよ。