悪魔くんとナイショで同居しています




「大変なのよっ!」

「えっ?何が?」

「とにかく来て!」



だから何が?

そう聞き返したにも関わらず、紗千は答えもせず早く早くとせかすばかりだ。



「分かったよ、行くよ」

「急いで!」



何が起こっているのか分からないまま、紗千の後を追いかけた。

向かった先は教室だ。

その周辺には、普段ない人だかりが出来ていた。



「テメェしらばっくれてんじゃねーよ!」

「はぁ?だからんなこと知るかっつってんだよ!」



なに……なに?

誰かが教室内で喧嘩してるの?



人だかりを掻き分け進むと……乱雑に散らばる机と、胸倉を掴み合う佐々原くんと垣内くんがいた。



「なんかね……垣内くんが、佐々原くんの彼女と密会してたらしいの」

「密会……?」



あ、それってもしかして。

垣内くんとギャルが公園で仲睦まじく笑い合っていた……あの時のこと?




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