悪魔くんとナイショで同居しています




うわぁ、さっそく修羅場ってるじゃん。



「人の女に手ぇ出しやがって!お前がそんな奴だったとはな!」

「知らねぇよ!言いがかりつけてくんな!」



激しく罵り合う二人を、ギャルが涙ながらに制止しているけど……

二人は見向きもしない状態だ。



「佐々原くんとあの子、最近うまくいってなかったっぽくてさ。でその隙に、垣内くんがあの子に手を出したらしいよ」

「……へぇ」



佐々原くんとうまくいってなかったっていうのは……

アーラが、思い出が詰まったネックレスを捨てたことが発端だったよね。



「言い訳ばっかりしやがって!」

佐々原くんが渾身のパンチを繰り出した。



湧き上がる悲鳴の中、机をなぎ倒しながら垣内くんが吹っ飛んだ。



「ってぇなぁ!だから俺はお前の女に手なんか出してねぇっつってんだろうが!」

ボタボタ垂れる鼻血を拭いながら、今度は垣内くんがドロップキックを炸裂させた。



教室内はもうどこからどう見てもプロレス場だ。

あぁ……先生。

先生、早く来て二人を止めてーっ!




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