悪魔くんとナイショで同居しています
「奏っ!」
鯖の味噌煮定食を手にテーブルにつくと、正面に座る紗千に睨まれた。
え……なんか怒ってる?
私、なんかしたっけ?
「さっき次咲と話してたでしょ!」
「ん?あー、そうだね……」
紗千はカレースプーンを力任せに置くと、強い口調で言ってきた。
「だから次咲と付き合ってるとか言われるんでしょ!」
それは……確かにそうだけど。
「でもあからさまに無視は出来ないし……」
だってかわいそうだもん。
それに次咲くんは、周りが思ってるほど悪い奴じゃないと思うんだよなぁ。
ほら、さっきだって。
私の身を案じて忠告してくれたんだし。
「奏は優し過ぎるんだよ!もう私が次咲に言ってくる!迷惑だから話しかけてくんなって!」
「えっ、ちょっと紗千?!」
紗千は興奮気味にそう言うと、食べかけのカレーを置いて席を立った。