悪魔くんとナイショで同居しています





「紗千……まだ怒ってるのかなぁ」



食堂での一件があって以来、目も合わせてくれなくなった。

 
紗千は私を心配してくれている。

私が巻き込まれないように……次咲くんを遠ざけようとしてくれているのも分かってる。



明日は謝ろう。

そしてもう一度、ちゃんと私の気持ちを話して理解してもらおう。



「……ん?」



とぼとぼ河川敷を歩いていると、先にある高架下に複数の人影を見つけた。

遠目からだからそれが誰なのかは分からないけど……男子生徒かな?



最近あの高架下を、溜まり場としているヤンキーがいるから困ったもんだ。

その横を通らなきゃいけないんだから、怖いのなんのって。



「あ……あれ?」



一歩一歩近付くにつれて、ヤンキー集団の中に次咲くんがいる。

二人で談笑するヤンキー少年達はクラスメートだ。

そしてその脇に、次咲くんがぽつんと立っている。



どうしたんだろう……?



よく見れば彼はまた、ヤンキー達のスクールバッグを持たされていた。




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