恋愛指南は乙女ゲームで
「ほれ、ここ。これが今現在の、お前のラブ度。ここを貯めないとクリアできないぜ」
「うえっ? そうなのか? でもほら、25000もあるじゃないか。俺からしたら結構なライフ数だと思うんだが」
「そのバトルゲームの言い方やめろ。乙女ゲームはラブ度が全てだ。ラブ度、すなわちカレとの親密度、と思えばいい」
「付き合ってもないのに、そんなもん上がるわけないだろう」
「そうじゃない! お前、遊び方の説明読んでないだろ。この『深紅のバラ』を使って、意中のカレにせっせとプレゼントを渡すのだ。そうすると、都度ラブ度が上がる」
今野の指先を見れば、画面の『深紅のバラ』のところにバラが五つある。
何に使うのかわからず、存在すら忘れていたアイテムだ。
「ていうか、要は貢ぐってことだな。何か駄目な人間になりそうなんだが」
「つべこべ言うな。とにかくクリアするには、50000ぐらい貯めないとなんだぞ? 今すでに10話目。お前、ここでまだ25000ってことは、分岐失敗してるだろ」
「何の分岐だ」
「たまに出てくる『恋の別れ道』だよ。そこでの選択が良ければ、そこでもラブ度が貰える」
「あ! なるほど。あれはそのための質問だったのか」
ぽん、と俺が手を打つと、今野は心底呆れた目を向けた。
そしてスマホを俺に返しつつ、大きくため息をつく。
「まさかここまでとはなぁ。わかってたことだが、やっぱりお前、女子力なさ過ぎ」
「うえっ? そうなのか? でもほら、25000もあるじゃないか。俺からしたら結構なライフ数だと思うんだが」
「そのバトルゲームの言い方やめろ。乙女ゲームはラブ度が全てだ。ラブ度、すなわちカレとの親密度、と思えばいい」
「付き合ってもないのに、そんなもん上がるわけないだろう」
「そうじゃない! お前、遊び方の説明読んでないだろ。この『深紅のバラ』を使って、意中のカレにせっせとプレゼントを渡すのだ。そうすると、都度ラブ度が上がる」
今野の指先を見れば、画面の『深紅のバラ』のところにバラが五つある。
何に使うのかわからず、存在すら忘れていたアイテムだ。
「ていうか、要は貢ぐってことだな。何か駄目な人間になりそうなんだが」
「つべこべ言うな。とにかくクリアするには、50000ぐらい貯めないとなんだぞ? 今すでに10話目。お前、ここでまだ25000ってことは、分岐失敗してるだろ」
「何の分岐だ」
「たまに出てくる『恋の別れ道』だよ。そこでの選択が良ければ、そこでもラブ度が貰える」
「あ! なるほど。あれはそのための質問だったのか」
ぽん、と俺が手を打つと、今野は心底呆れた目を向けた。
そしてスマホを俺に返しつつ、大きくため息をつく。
「まさかここまでとはなぁ。わかってたことだが、やっぱりお前、女子力なさ過ぎ」