ガラクタ♂♀狂想曲
「ショコちゃん、だけど今は…、何も聞かないで」
「——わかった」
すると頭を上げ、ふっと微笑んだデンちゃん。
「ねえショコちゃん」
「なに?」
「勃ってきた」
「……」
「嘘。なんか眠い」
そしてモソモソと布団の中へ入ってきたデンちゃんは、私の首の下へ腕を入れる。
「寝れば治まる」
おでこをくっつけそう言ったデンちゃんは瞳を閉じ、そしてまさぐるように手を動かした。
「——や、もう」
「やらしーの、しよっか?」
そう言って私の頬へ鼻を擦り付けてきたけれど、その気がないのはわかる。
「してもいいよ」
するとデンちゃんの閉じていた目がぼんやりと開いた。そしてゆっくりと優しく口付けてくる。それは舌を絡ませない、重ねるだけのキスだったけれど——
とても柔らかくて。とても温かく、長いキス。
唇を外してからも名残惜しい気持ちが残り、そのまま見つめあった私たち。
「——いつかちゃんと話すから」
「うん。おやすみデンちゃん」
だけどあのデンちゃんが、こんなふうになるだなんて。
「ショコちゃんも、おやすみ」
「うん」