ガラクタ♂♀狂想曲
「デンちゃん」
「…ん」
「寒くなってきた」
どうあがいたとしてもデンちゃんの一番は、瑠美なんだと思えた。
「——服、着たままだからじゃん」
「そうだね」
学生向けのマンションだからか、狭苦しい窓もないバスルームでふたり。ひとりは生まれたままの姿で、そしてもうひとりは最低限の鎧を身に纏う。だけどそれも、ずくずく濡れてしまっては意味がない。
「なんかそそるけど?」
そしてふっと笑ったデンちゃんは、ふたたびシャワーを捻った。もくもく立ち上る湯気。
「ほらショコちゃんバンザーイ」
「……身体が重い」
「自業自得でしょ」
そして袖から腕を抜いてくれる。
「ねえショコちゃん。ショコちゃんは、どうしてキャバ嬢に?」
私の下着に手を掛けそう言ったデンちゃんは、ちょこんと首を傾げた。
「んーっと」
改めていま思えば、元カレのパチスロに貢いでいたと思う。あのときは、それに気づいてなかった。
「俺はホストして、学んだことたくさん」
「——例えば?」
「身の丈を知った」
そう言って私の足元から下着を抜いたデンちゃん。