ガラクタ♂♀狂想曲

「———瑠美を引きずってでも、無理矢理デンちゃんが連れて出ればいい。デンちゃんが瑠美を助けたいと本気で思っているのなら、それを瑠美もわかってくれるんじゃ？」

「ショコちゃん？」

「なに」

「本気で言った？」

「うん」


するとデンちゃんは、なぜかクスリと笑った。


「俺が、ショコちゃん置いて行くわけないし」

「……バカじゃない？」


出て行ったくせに。
なのにボロボロになって帰ってきて。


「なんかショコちゃんは、瑠美に似てる」


そして信じられないことを口にしたデンちゃんは、そのまま私を抱き寄せた。


「冗談でしょ？」

「ほんと」

「まさか…、それで私に近づいたわけ？」

「それもある」

「——は、はあ？」


最低すぎ。私、バカみたいじゃない。
クイッと睨み上げれば、目の前にきょとんとおどけた顔をするデンちゃんの顔があった。