ガラクタ♂♀狂想曲

「はい、これでオッケ」

「ありがと」

「あとは絆創膏ね」


手にした絆創膏をぺリリと剥がし、デンちゃんの口元へそれをあてがう。


「おおおォォ。なんかショコちゃん、ドアップ」

「じっとしてよー。喋ったら、うまく貼れないでしょ」


大人しく口を結んだデンちゃんは、代わりに私の頭を撫でた。そのせいで少し手が汗ばんでしまう。


「——貼れたよ」

「ありがと。だけどショコちゃん?」

「なに」

「さっきから、なんで俺の目を避ける?」

「避けてないけど?」


サラッと応えた。
いつもどおり普通にしてるつもりで、避けているつもりはないけれど、やっぱりそうなのかも。


「まあだけど、傷口が痛々しいからね。目に入らないようにしてるかも」


気まずさを誤魔化すためにそう言って携帯を手に取った。さっき受信したメールを確認する。


「———っ、」


なにこれ。

< 125 / 333 >

この作品をシェア

pagetop