ガラクタ♂♀狂想曲
「はい、これでオッケ」
「ありがと」
「あとは絆創膏ね」
手にした絆創膏をぺリリと剥がし、デンちゃんの口元へそれをあてがう。
「おおおォォ。なんかショコちゃん、ドアップ」
「じっとしてよー。喋ったら、うまく貼れないでしょ」
大人しく口を結んだデンちゃんは、代わりに私の頭を撫でた。そのせいで少し手が汗ばんでしまう。
「——貼れたよ」
「ありがと。だけどショコちゃん?」
「なに」
「さっきから、なんで俺の目を避ける?」
「避けてないけど?」
サラッと応えた。
いつもどおり普通にしてるつもりで、避けているつもりはないけれど、やっぱりそうなのかも。
「まあだけど、傷口が痛々しいからね。目に入らないようにしてるかも」
気まずさを誤魔化すためにそう言って携帯を手に取った。さっき受信したメールを確認する。
「———っ、」
なにこれ。